鉱泉・地下水・温泉といった水から生じた石灰質沈殿岩であるトラバーチンは数万年の堆積物の記憶が時代ごとの色を生み出し年輪のように重なることで形成されています。時代や土地ごとに異なる堆積速度の差異は重ねられた年月により波のようなに折り重なる独特の堆積層の縞模様を生み出しています。調和のとれた深遠な魅力を持つトラバーチンを構成する堆積物の記憶は、岩と水によって行われたこの忍耐強い芸術的作業によって生まれたチャーミングで美しい表情を、まるで詩の様に描き出しています。
イタリアの歴史あるトラバーチンの現代的で洗練されたアプローチによる原点回帰をテーマとするHado(ハド―)シリーズは、この気の遠くなる年月の「水の記憶」を活気に満ちたインテリアの未来像へと昇華します。輝かしい自然が永遠に内包する貴重な記憶を起源とする力は、新しいデザインのうねりを形作ります。シリーズ名のHadoは発生した波が最も高い位置に到達した状態を表す日本語、「波頭」に由来しています。HADOシリーズは水と石の記憶を、時代を越えて伝わる波の様に遠い過去から新しい生活空間へ伝播します。
RAIN 自然のアーティスト
表層材市場において突出した革新的なソリューションを提供する研究開発部門はHadoシリーズのために新しい表面仕上げ、RAINを開発しました。この仕上げはセラミックタイルにこれまでない立体感や触感のテクスチャーを与えます。厚み3mmの大判スラブにおいて深い凹凸差を持つ立体的テクスチャーを再現できるメーカーは非常に限られています。この技術を1000×3000/1200×3000mmサイズで提供するLAMINAMはセラミック業界に新しい視覚表現をもたらしました。
RAINの大判タイル表層に垂直に走る立体的テクスチャーは伝統的な石工の繊細なノミ細工である浅浮き彫りの技法を再現しています。そのラインは石の上を流れ落ちる水のように無数の流水の道を表現しています。水は魅力的で安らぎを与える彫刻的な演劇の演じ手となります。細い繊維のような表層はうねり流れながら立体的な表層を造り、自然との深く絶え間ないつながりの感覚を表現します。
【HADOシリーズ/RAIN施工イメージ】