AL FAYA LODGE / Aharjah, UAE(OS-1)

【設計】ANARCHITECT

息のつまるような暑さと強烈な日差し。砂嵐・豪雨・夜との気温差を特徴とする砂漠に囲まれたブティックホテル、アル・ファヤ・ロッジにLAMINAMの磁器質セラミックタイルが採用されています。特徴的な赤砂の砂漠に立つUAEで初めて実用化された鋼鉄の油井ポンプ。ホテルはこの歴史的遺産の側に1960年代に建てられた石造りの診療所兼食料品店を改修しています。

設計者のジョナサン・アシュモア氏は、UAEの都市シャールジャのランドスケープと言える砂漠と人の営みの歴史が生み出した眺望をデザインに取り込みます。石造りの下地とのコントラストを生みかつこの土地の歴史を象徴することをコンセプトに、外壁には過酷な砂漠の状況下に耐え得るコールテン酸化鋼と漆喰が選ばれました。

私たちは「鋼鉄の油井ポンプが年月を重ね成熟的変化を遂げる様を表現する外装」と同じ質感と色彩を優れた表層材によって室内空間に与えることを目的としていました。加えて天井高を3メートルに設定しゆったりとしたプロポーションの客室を目指しました。LAMINAMの色彩・質感と1×3メートルのスケール、歴史的な石造りの建物への負荷が少ない軽量で薄い(厚み3mm、24.5kg/枚)仕様はこのプロジェクトに最適でした。LAMINAMは外部の「鉄・風土・歴史を現した建築言語」を内部表現に翻訳する役割を担っています。この外部・内部に対するアプローチは私たちANAARCHITECTが手掛けるプロジェクトに繰り返し採用されるフォーマットでもあります。(アシュモア氏)

Ossido オッシド
-金属が錆び行く過程で魅せる刹那的な美しさ-
自然から生まれた素材が経年変化のなかで刹那的に生み出し、時に人知れず失われていく美しさ。その素材の「生涯で最も美しい瞬間を結晶化し永遠に保つ」という時間への挑戦をコンセプトにOSSIDO(イタリア語:酸化物)シリーズは生まれました。金属の酸化プロセスと美的変化の研究は、金属表層に発生する「積み重ねられた年月を雄弁に語る非常に強く豊かな色合いが生成される瞬間」を捉えます。一般的に外観・形状・機能の劣化の兆しとされる錆の美的可能性はセラミックの機能性により再解釈されます。銅に形成させる緑青(ろくしょう:青錆び)を表現したヴェルデラメは、この素材と大気が生み出す抽象絵画のような大胆な美しさを称えます。表層にあしらわれた釉薬は素材のかつての輝きを微かな光の反射とともに放ちます。

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