超大判タイル セラミックスラブ ラミナム
2026.08.28
超大判タイルとは?「大きなタイル」の先に生まれた、「セラミックスラブ」という「考え方」

「大判タイル」と聞いて、どのくらいの大きさを思い浮かべますか。

日本では、300角や600角といった一般的なサイズに対して、600×1200mm、1200角、1200×2400mmといった大型サイズを「大判タイル」と呼ぶことが多いようです。ただ「一辺600mm以上が大判タイル」という世界共通の規格上の定義があるわけではありません。

ISO 13006はセラミックタイルの定義や分類、特性などを定めていますが、「600mm未満は標準、600mm以上は大判」といったサイズによる区分は定めていません。そのため「大判タイル」という呼称は、厳密な規格名称というより、従来のタイルと比べて大型化した製品を表す、設計や市場で広く使われている呼び方なのです。

タイルの本質は、大きさだけでは決まりません。粘土・砂・長石・石英などの無機原料を成形・焼成してつくられるセラミック製品は、主に壁や床の表面を仕上げる建材としてデザイン・機能性が発展してきました。製造技術の進化によって、タイルは次第に大きくなります。大判化がもたらした最大の変化は、単に一枚のサイズが大きくなったことではありません。目地を減らし、空間をより大きく、連続した「面」としてデザインできるようになったことです。

天然石の一枚板のような表情や、コンクリート、金属、木といった素材感を途切れさせずに表現できる大判タイルは、タイルを「一枚ずつ組み合わせる素材」から、「空間に大きな面をつくる素材」へと進化させました。

そして現れた、「大判タイルを超えるサイズ」

セラミックタイルの進化はそこで終わりませんでした。2001年、従来の大判タイルよりもさらに大きなサイズが、イタリアを中心とするセラミック産業から登場しました。イタリア、LAMINAM(ラミナム)社が世界で初めて製品化に成功した1000×3000mmサイズは、タイル業界初の常識を覆す世界最大最薄の大判タイルの登場となり、新しい市場を創り出しました。以降、他のメーカーも参入し、1200×3000mm、そして1620×3240mmといったサイズも展開されています。まるで採石場から切り出された大きな天然石の石板ようなサイズ感から、これらの大判タイルは「セラミックスラブ(石板)」と呼ばれ、従来の大判タイルと明確に区別されるようになります。

たとえば1620×3240mmは、一枚で約5.25㎡もの面積を持ちます。これは、一般的に「大判タイル」と呼ばれてきた製品のサイズを明らかに超えています。その意味では、これらの製品を従来の呼称と横並びにし「超大判タイル」と区別して表現することもできます。ただ、セラミックスラブは単純に「超大判タイル」という言葉では収まりません。その本質的な価値は、サイズが大きくなったことだけではないからです。

「大きくなったタイル」ではなく、表現を広げる「新カテゴリー素材」

Laminam(ラミナム)のようなセラミックスラブ(インテリアとしても採用できる超大判タイル)の登場によって、タイルは従来の「壁と床の仕上げ材」という役割を超え始めました。例えば、Laminamでは、製品のサイズや厚みに応じて、以下のような多様な採用事例があります。

一枚のセラミックタイルが、建築の床や壁だけでなく、キッチンや洗面、家具まで連続して展開できます「壁・床に施工するためにタイルを大きくした」のではなく、セラミックを建築とキッチン・家具の両方に使える“表面材”へと進化させた。

ここに、セラミックスラブが従来の大判タイルと大きく異なる本質的な価値があります。

「タイル」から「サーフェス」へ

従来の「小単位を貼り合わせて空間を覆う建材」としてのタイルに対し、セラミックスラブは、1枚で空間を構成するサーフェス=表面材として扱われます。これは、単に「同じ柄のタイルを大面積に採用する」ということではありません。建築から家具までを、一つの思想で統合するということです。

セラミックスラブという「考え方」

Laminamが変えた、セラミックタイル採用の可能性:Laminamは、1000×3000mm/1200×3000mm/1620×3240mmの3つのサイズに、用途に応じて2.6mm/3.5mm/6.1mm/12.5mm/20.5mmと5種類の厚みを用意しています。

薄いスラブは内壁や家具の表面へ。より厚みのあるスラブは、強度が要求されるキッチンカウンターや洗面カウンター、テーブルなどへ。サイズだけではなく、厚みと加工性を組み合わせることで建築・インテリア・キッチン・家具と用途が広がります。

例えば1620×3240mmのスラブは、大型のキッチン天板や洗面カウンター又は1枚からテーブル天板とサイドテーブルを切り出すといったように使用できる一方、同じ空間で大面積の内外壁・床としても採用できます。壁・床・家具という、これまで別々の材料で構成されていた空間を、一つの素材でつなぐことが可能になります。

建築とインテリアの境界。

仕上げ材と家具材の境界。

そして「壁の材料」と「天板の材料」の境界。

セラミックスラブは、そうした「従来の境界を越える設計・デザイン思考」を体現しています。

まとめ:セラミックスラブとは

セラミックスラブとは単なる「大きなタイル」ではありません。従来のタイルを超えるサイズを持ちながら、従来のタイルの用途を超えていく素材です。Laminamの登場は、タイルの大型化という技術的なステップではなく、タイルを「壁や床に貼る材料」から、建築とインテリア全体をつなぐサーフェスマテリアルへと進化させた転換点として捉えることができます。

タイルは、壁と床を仕上げ

大判タイルは、より大きな“面”をつくり

セラミックスラブは、その“面”を建築からインテリア・キッチン・家具へと広げます。

一般的なタイル】
壁や床などの仕上げ材として使われる、セラミック製の建築材料です。

大判タイル】
従来の一般的なタイルよりも大型化し、目地を減らしながら、大きな連続面をつくることを可能にした製品群です。

セラミックスラブ】
大判タイルをさらに超えるサイズを持ち、その大きさと厚み、加工性を活かして、壁・床だけでなく、キッチン、洗面、テーブル、家具などへ用途を拡張したあらゆる表層を覆う「セラミック・サーフェス(表層材)」です。「一般建材」ではなく、ハイエンドなキッチン・家具ブランドやユーザーの要求に応えるインテリアとしての美しさを持ち合わせることが必要要件になります。

大判タイルの先にあるものは、さらに大きなタイルではありません。そこにあるのは、超大判タイルという言葉には収まらない、セラミックの用途と、建築における役割そのものを広げる「セラミックスラブ」という新しい可能性です。

次回:セラミックスラブの価値を実行可能なプロジェクトに落とし込むために

セラミックスラブは「構造材」ではありません。用途が広がったからといって、セラミックスラブそのものが建物や家具の荷重を支える構造材になるわけではないため、キッチンカウンターやテーブルなどへの使用では、製品の厚み、支持方法、下地構造、加工方法、開口部の位置などを考慮する必要があります。次章では、セラミックスラブの価値を実際の建築・インテリア・キッチン・家具・プロダクトへ落とし込むための、ラミナムジャパンのサポートをご紹介します。