Anyang Buddhism Cultural Center / Anyang, Gyeonggi-Do, South Korea
設計:HAENGLIM ARCHITECTURE
■安養市仏教文化センター
韓国ソウルに隣接する都市、安養(アニャン)市。ソウルへの通勤圏として発展し、経済的にも密接な関係にあります。
かつては工業都市として栄えた安養市は現在、文化・芸術都市へと大きく変貌を遂げています。現代的なデザインと伝統的な韓国の要素が見事に融合した建築物が数多く存在し、都市の景観を彩っています。安養芸術公園をはじめとする文化施設も充実しており、市民だけでなく、国内外の芸術愛好家からも注目を集めています。また、持続可能な都市を目指し、環境問題にも積極的に取り組んでいます。歴史と現代が調和し、文化と自然が共存する、魅力あふれる都市です。
■価値観を体現する「文化的要素」としての建築表層材
安養市が定める都市ビジョン 「住みやすい都市、誇りある市民 」は、平和、純粋さ、市民の結束、科学的発展、環境、現代性といった価値観を示しています。人は複雑で常に変化する存在で、一見矛盾するような部分もその人らしさとして受け入れる。建物と緑が織りなす都市の景観は、人、自然、社会が共存する理想を私たちに示しています。
ハングリム建築事務所は、この理念を建築物として具現化するために、「環境に配慮した設計、統一感のあるデザイン、そして革新的な技術」をプロジェクトに取り入れました。
仏教文化センターのファサードを覆う素材には、LAMINAMのFilo(フィロ)シリーズが採用されました。タイル本体が100%天然原料で構成され、全ての製品が20~60%のリサイクル原料を含むラミナムは、世界初の3mm厚の大判タイルを開発した技術力を有しています。持続可能性と先端技術の融合はこの街の理念に適う建築表層材としてプロジェクトを支えています。
■Filo(フィロ) / 建築的「宝石」の再解釈
「無限に織り重ねられた虹色の糸」をデザインコンセプトとするFILOシリーズの本質は「光との戯れによる多彩な表情の変化」にあります。微細な金属顔料が、形状の異なる無数の立体的なドット上に散りばめられた表層は、タイルごとに異なる玉虫色の光の反射を見せます。インテリア・エクステリア、時間とともに移り変わる自然光の変化、照明の種類。異なる光の条件と配置はFILOの個性をさらに強調します。建築・インテリ空間・プロダクトデザインにおいて、それは1つとして同じ表情を持つ空間や製品がないことを意味します。
乾式工法による外壁ファサードの色には、仏教哲学においてスピリチュアルなパワーを秘める色とされる「金」が選ばれ、FILOシリーズからOro(イタリア語:金)が採用されています。